書評

【書評】3分でわかる「行動経済学入門」の読み方

以前「行動分析学」という学問についての本を読んだので

タイトルが似ていて何となく手にとって見たのがこの本

「行動経済学入門」多田洋介著

最近読んだ本の中では一番生活や仕事で役に立ちそうな事が書いてあり、読みながら思考させたり、知的好奇心も満たしてくれたりする本なので紹介したい。

だが内容が難しいのでどうやって勧めようかと悩んだ挙句、本書の読み方を提案しようと思った。

なので、前半で本書の簡単な紹介をしてから、後半に読み方を箇条書きにまとめたので参考にしてくれたらと思う。

1分で分かる行動経済学

経済学という単語を聞いた事はあっても、行動経済学という単語は聞いたことが無いと思う。

行動経済学とは、経済学に心理学的な考え方を持ち込んだものだ。

特徴としては、経済学では人間を超効率よく動くロボットと見なして経済活動を分析していたが、行動経済学ではロボットを心のある普通の人間に置き換えて経済活動を分析する事を考えた。

例えるなら、夏休みの宿題をする時に毎日計画した量をきちんとこなす人間で考えるのが、経済学で、夏休みの初めの頃はサボって終盤に焦って一気にやる人間で考えるのが行動経済学だ。

あるいは募金はしない、毎月収入の10%を必ず貯金すると超合理的に行動するのが経済学の人間で、たまに募金したり、毎月収入の10%を貯金する事が出来ずしばしば飲み会やパチンコに使ってしまうのが行動経済学の人間だ。

最初にこれを知って

「経済学での人間って少数だから、経済学って役に立つのかよ。」

って思ってしまった。そして著者は経済学も実際ちゃんと役に立ってるよと言っていた(ごめんなさい)。

そして本書では、普通の人間の非合理的な行動にも一定の法則がある事を明らかにするために数式具体例を用いてひたすら説明している。

例えば、プロ野球選手の打率の話、宝くじの話、タクシー運転手のノルマの話、囚人のジレンマの話、オークションで大抵損する話、海の家とホテルのバーの話etc

具体例をいくつか紹介すると、

  1. 労働者の賃金を高めに設定すると効率よく働いてくれて成果が上がった。一方で仕事が遅かったりしたら給料を下げるという方針を労働者に伝えると効率が下がった。
  2. マグカップをタダでもらったグループAとマグカップをもらっていないグループBに分けて、マグカップの取引市場を開催した場合、予想よりも少ない取引しか行われない話。(平均値をとると、Aの希望売値が5.3ドルに対して、Bの希望買値が2.5ドルだった。)
  3. オークションで落札した時、落札した商品の実際の価値より高い金額で落札してしまう心理。
  4. Mさんは、エンジニアが30%、経済学者が70%いる集団から連れて来られた。彼は背広を来ている。Mさんがエンジニアである確率はいくつか。(答えは30%。背広を来ているという情報は無関係だから。)

こういった興味を惹かれそうな具体例がいっぱい載っている。

ビジネスで活かせそうだと思った法則をいくつか挙げると

〇ピークエンド法則

過去の体験で、その体験のピーク時と最後の場面での印象(快楽・苦痛)でもった経験の2つが大きくものを言う事。

分かりやすい例だとひいきの野球チームが9回裏にサヨナラ満塁ホームランで逆転勝ちしたらその場面が一番印象に残る、のがピークエンド法則だ。

物語で言えば、1年以上前にやった中世ヨーロッパをモチーフにしたゲームで、細かいストーリは忘れてしまったが、中盤の主人公の師匠を弔うシーン(ピーク)と、エンディングの最後で主人公がプレイを通して初めてカメラ目線でプレイヤに微笑みかけるシーン(エンド)は今でもはっきりと覚えている。

仕事では、文章を書く時に書評、体験記、その他の記事問わず常にピークエンド法則を意識して山場と終盤、それ以外とメリハリをつけて書いてる。

〇フレーミング効果

同じ事を表すのに、表現方法が異なるだけで相手の受け取り方が変わる。

具体例を挙げると、600人の村で伝染病が流行った時、

①200人だけ助かる方法Aと、1/3の確率で600人が救われるが2/3の確率で全員死ぬ方法Bのどちらか一つしか選べない。

②400人死亡する方法Aと、1/3の確率で600人が救われるが2/3の確率で全員死ぬ方法Bのどちらか一つしか選べない。

①と②について方法A、Bどちらを選ぶ人が多いか調査したら①ではA、②ではBだった。①②どちらも方法Aで助かる村人の人数は同じにもかかわらず表現や情報の受け取り方によって選択が変わってしまう。

僕が商品を紹介する時には、必ず無料のコンテンツをつけて商品の価値+αを感じて買ってもらうようにしている(商品の価値は変わっていないのでこれもフレーミング効果になる)。

太陽光パネルの販売であれば、節約出来る電気料金が毎月2万円だが年間24万円でになるので、「年間24万円の節約」をアピールした。

行動経済学入門の攻略方法

最初に重要な事を言います!

数式は飛ばして具体例を読む。

これだけで本書を読むハードルがぐっと下がる。

例えば、

「・・・通常の効用関数u(x)を持っているのであれば・・・」

という文章がきたら、すっ飛ばして後ろを読めば、

「マグカップを手放す損失の痛みを感じる」

とイメージしやすい文章が出てきて安心するだろう。

僕が全ての数式を飛ばしても、この本を最後まで読むことができたのは具体例のお蔭だった。それに素人から見ると、本書の面白さは具体例にあると感じた。

行動経済学に初めて触れる人は本書に出てくる数式を読むと十中八九撃沈するので、数式が出てきたらどんどん飛ばして具体例を読んで行ってほしい。

本書は数式と具体例がセットで記述されているところが多いので大丈夫だ。

具体例を読めば大体何が言いたいのかイメージ出来るから安心してほしい。

数式を見たらゴキブリだと思って飛ばしてしまおう。

 

 

それでは本書のオススメな読み方をまとめる。

行動経済学についての知識がない人は、以下のように読む事をオススメする。

  • 第1章の1まで読む
  • 第1章の2から数式が出てくるので注意
  • 分からないと思った数式は全て飛ばす
  • 具体例をしっかり読む
  • 3章以降は初めに今まで読んだ章のまとめが書いてあるのでしっかり読む
  • 各章の最後に「ポイント」としてまとめが書いてあるのでそこもしっかり読む

最初の方は経済学についての情報が多いのと、第3章以降から章の初めに前の章のまとめが書いてあるので第2章までは流し読みでもいいかもしれない。

これであなたも行動経済学に入門出来るはず。是非読んでもらって実生活で活かしていこう!

「行動分析学」の書評のリンクを下記に貼っておくので、よかったら読んで欲しい。

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